良い加減にいい加減

簡単なことをめんどくさく云う

血染めの海に錨を下ろす

4月3日

そこは戦場であり
祈りの場だった


ついぞこの間真っ白に染め上げたその景色が、一年の時を経て魅せた真紅の絶景
思わず周囲を見回さずにはいられなかった


申し訳ないことに、私はKAT-TUNのライブでペンライトを振ったことがない
さらに言えば団扇を振ったこともない

理由は特に無いのだが、初参戦で持ちそびれて以来、振りをし易いのもあって
軽く握った拳でもっての参戦を数年続けていた

今回も常に漏れず丸腰で挑んでいた
(特に今回はグッズ列に恐れをなして公演前に並ぶのを諦めて、ドアラカフェを満喫していた)

しかし、開演前から後悔は始まっていた

あちこちで灯り始める朱い光
数が増え
会場の明かりが落ちた瞬間の景色はなんと言えば良いのだろう


朱い海に降り立った彼らは、凄まじい気迫でもってその海を切り裂いて進み出す
しかし次の瞬間「野郎ども、出航だ」の声によって海であったその景色は彼らのクルーに変わる
朱い武器を掲げ、歓声を上げるクルー
それはシンプルに勝ち鬨の声だった




頭に浮かんだのは、彼らの進む未来に暗闇は要らない、あってはならない、ということ
僅かな暗闇が不安になるというのなら、ほんの僅かな光でしかないが手ずから灯りを点したい、ということ
この朱い景色が彼らの帰還の灯台になるのなら、その灯りを少しでも見えやすいものにしたい、ということ


会場を出て、目指したグッズ売り場はものすごい列になっていて
アラームの内容を聞いてから…という人も
開演前間に合わなかったから…という人も
もちろんいただろうけれども

私と同じに、小さな灯火を手に入れるべく、共に戦うための武器を手に入れるべく
居てもたってもいられなかった同朋がいたと思っている

ライブにはそこそこ行った事はあったが、東京ドーム3連戦はペンライトデビューになる
うまく振れる自信はないが、今から楽しみでならない



(という記事を1ヶ月ほど放置してました)